草野和彦

2016〜18年の国連の通常予算で、日本の分担率が2桁を切って9.68%となる見通しであることが、国連総会の分担金委員会の試算で分かった。3年ごとに見直される分担率は、各国の「支払い能力」を反映しており、日本はかつて20%を突破していたが、相対的な経済力と共に低下。2桁を切れば1982年以来となる。 分担率は、国民総所得(GNI)の世界合計に対する各国の比率を基準に、1人当たりGNIが低い国の負担を減らす「低所得割引調整」などを踏まえて算定される。 日本の分担率は国連加盟(56年)後、経済成長に伴って増加。80〜82年に9.58%となり、83年以降は2桁を保ってきた。00年の20.57%がピークで、現在は10.83%。来年からは1.15ポイント減少することになり、下げ幅は加盟国中で最大となる。 対照的なのが中国だ。来年からの分担率は7.92%で、現在の5.15%から2.77ポイント上昇し、加盟国中で最大の上げ幅となる。 かつては日本の分担率だけで、米国を除く安全保障理事会常任理事国4カ国(英仏中露)の合計を上回っていたが、時代の流れを感じさせる結果となった。